こんにちは、しょうです。
今回の問題を見ていきましょう!
問題
問題97 ノロウイルス(Norovirus)による感染症の予防のための介護福祉職の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 食品は,中心部温度50℃で1分間加熱する。
2 嘔吐物は,乾燥後に処理をする。
3 マスクと手袋を着用して,嘔吐物を処理する。
4 手すりの消毒は,エタノール消毒液を使用する。
5 嘔吐物のついたシーツは,洗濯機で水洗いする。引用:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第35回介護福祉士国家試験」
正解
3 マスクと手袋を着用して,嘔吐物を処理する。
解説
ノロウイルスとは?
感染力が非常に強いウイルス性胃腸炎の原因ウイルス
主な症状
①急な吐き気・嘔吐
②下痢(水様性)
③腹痛・腹部不快感
④発熱(軽度)
⑤倦怠感・脱水症状など
主な特徴
・感染力が非常に強い
・アルコール消毒が効きにくい
・乾燥すると空気中に飛散しやすい
・食品を介した感染が多い
・短期間で治るが再感染しやすい
ノロウイルスの感染経路
・経口感染(食べ物や飲み物から)
・接触感染(人や物から)
・飛沫感染(嘔吐物や排泄物から)
ノロウイルス感染対策のポイント
① 手洗いを徹底する
・流水と石けんで30秒以上の手洗いが必須
・調理前・食事前・排泄後・嘔吐物処理後など、適切なタイミングで実施
② 食品の加熱を適切に行う
・食品(特に二枚貝)は85~90℃で90秒以上加熱する
・加熱不足の食品は感染リスクを高めるため、適切な調理が重要
③ 嘔吐物・排泄物の適切な処理
・マスク・手袋・エプロンを着用し、乾燥させず速やかに処理する
・次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)・使い捨てペーパーを活用する
④ 環境消毒の徹底
・次亜塩素酸ナトリウムを用いて手すり・ドアノブ・トイレを消毒する
・共用部分の定期的な消毒で、感染の拡大を防ぐことが重要
⑤ 感染拡大防止(感染者への対応)
・感染者は最低1週間、食品を扱う仕事を避ける必要がある
・シーツや衣類は85℃以上の熱湯消毒、または塩素系漂白剤での浸漬消毒を行ってから洗濯する
他の解説
×1 食品は,中心部温度50℃で1分間加熱する。
↓
・ノロウイルスの不活化には85~90℃で90秒以上の加熱が必要
・50℃では不十分であり、加熱不足では感染のリスクが残る
×2 嘔吐物は,乾燥後に処理をする。
↓
・嘔吐物が乾燥するとウイルスが空気中に飛散し感染リスクが高まる
・速やかに処理し、塩素系消毒液で消毒することが重要
×4 手すりの消毒は,エタノール消毒液を使用する。
↓
・ノロウイルスはエタノールでは不活化できない
・次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)を使用する
×5 嘔吐物のついたシーツは,洗濯機で水洗いする。
↓
・水洗いだけではウイルスが除去されず、洗濯機内で他の洗濯物に感染が広がる
・シーツは85℃以上の熱湯消毒、または塩素系漂白剤での浸漬消毒を行ってから洗濯する
おわりに
今回は以上です。次回もお楽しみに!
特定の内容のまとめを作って欲しい、この問題の解説をしてほしい、などご要望等あればぜひコメント等書いていただけると、今後のコンテンツ作成の参考になりますのでぜひお待ちしております。
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