こんにちは、しょうです。
今回の問題を見ていきましょう!
問題1
問題42 レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)にみられる歩行障害として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 しばらく歩くと足に痛みを感じて,休みながら歩く。
2 最初の一歩が踏み出しにくく,小刻みに歩く。
3 動きがぎこちなく,酔っぱらったように歩く。
4 下肢は伸展し,つま先を引きずるように歩く。
5 歩くごとに骨盤が傾き,腰を左右に振って歩く。引用:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回介護福祉士国家試験」
正解
2 最初の一歩が踏み出しにくく,小刻みに歩く。 福祉事務所
解説
レビー小体型認知症(DLB)とは?
脳内にレビー小体という異常なタンパク質の塊が蓄積することで発症する認知症
主な症状
・認知機能の低下
・幻視
・パーキンソン症状 →「2 最初の一歩が踏み出しにくく,小刻みに歩く。」 が正解となる
・レム睡眠行動障害
・自律神経障害
パーキンソン病とレビー小体型認知症の違い
①パーキンソン病
・中脳の黒質のドーパミン神経細胞が破壊され発症
・運動症状が主体の疾患→認知症は進行してから現れることが多い
②レビー小体型認知症
・大脳皮質と脳幹にレビー小体(異常タンパク質)の蓄積が原因
・認知機能障害が初期からみられる→運動症状や精神症状(幻視)が同時に現れる
他の解説
×1 しばらく歩くと足に痛みを感じて,休みながら歩く。
↓
脊柱管狭窄症などでみられる間欠性跛行に該当する
×3 動きがぎこちなく,酔っぱらったように歩く。
↓
小脳の障害でみられる小脳性運動失調(酩酊歩行)に該当する
×4 下肢は伸展し,つま先を引きずるように歩く。
↓
脳卒中や脊髄疾患による痙性歩行が該当する
×5 歩くごとに骨盤が傾き,腰を左右に振って歩く。
↓
筋力低下や骨盤周囲の筋障害による動揺性歩行が該当する
問題2
問題78 レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)の幻視の特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 幻視の内容はあいまいではっきりしない。
2 睡眠中でも幻視が生じる。
3 本人は説明されても幻視という認識ができない。
4 薄暗い部屋を明るくすると幻視が消えることがある。
5 抗精神病薬による治療が行われることが多い。引用:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第34回介護福祉士国家試験」
正解
4 薄暗い部屋を明るくすると幻視が消えることがある。
解説
レビー小体型認知症(DLB)における幻視の特徴
・具体的でリアルな内容で現実に見えている
・感情的な反応を伴う場合がある
・日常生活に影響を与える
・環境要因に影響を受けやすい
↓
DLBにおける幻視への対応
・環境の調整 →「4薄暗い部屋を明るくする」は適切といえる
・本人を安心させる
・薬物治療
他の解説
×1 幻視の内容はあいまいではっきりしない。
↓
具体的でリアルな内容を持つことが多い
×2 睡眠中でも幻視が生じる。
↓
・幻視は覚醒時に生じる症状
・睡眠中では、レム睡眠行動障害などが該当する
×3 本人は説明されても幻視という認識ができない。
↓
本人がそれを幻視だと認識できる場合もある
×5 抗精神病薬による治療が行われることが多い。
↓
・抗精神病薬の使用は慎重に行う必要がある
・幻視には、主にコリンエステラーゼ阻害薬(例:ドネペジル)が用いられる
問題3
問題27 ふりかけをかけたご飯を、「アリがたかっているから食べられない」と訴えるレビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)の人への対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 落ち着いて口に入れてみることを勧める。
2 「アリはいません、おなかが空くので食べてください」と促す。
3 「好きなものがありましたよ」と好物を示して食事を勧める。
4 通常のご飯に取り替えて、「もう大丈夫でしょうか」と食事を勧める。
5 「おなかが空いていないのなら、無理して食べなくてもいいですよ」と下膳する。引用:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回介護福祉士国家試験」
正解
4 通常のご飯に取り替えて、「もう大丈夫でしょうか」と食事を勧める。
解説
レビー小体型認知症(DLB)における幻視の特徴
具体的でリアルな内容で現実に見えている
↓
ふりかけをかけたご飯を、「アリがたかっているから食べられない」
どう対応する?
本人の不安や違和感を取り除き、安心して食事を摂れるよう配慮すること
↓
・否定せず寄り添う
・環境調整を行う → 4のふりかけご飯を通常のご飯に取り替える
・本人が安心できる声かけをする など
他の解説
×1 落ち着いて口に入れてみることを勧める。
↓
無理に食べさせようとする行為は、不安や拒否感を増幅させる可能性がある
×2 「アリはいません、おなかが空くので食べてください」と促す。
↓
幻視の否定によって、本人の混乱やストレスが増加する可能性がある
本人にとって現実のため、「いない」と断言する対応は適切とはいえない
×3 「好きなものがありましたよ」と好物を示して食事を勧める。
↓
ふりかけご飯自体が問題なので、問題の原因(幻視)を取り除く必要がある
×5 「おなかが空いていないのなら、無理して食べなくてもいいですよ」と下膳する。
↓
本人が安心して食事を摂れるよう工夫してみる試みは必要である
おわりに
今回は以上です。次回もお楽しみに!
特定の内容のまとめを作って欲しい、この問題の解説をしてほしい、などご要望等あればぜひコメント等書いていただけると、今後のコンテンツ作成の参考になりますのでぜひお待ちしております。
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